白沙村荘改修事業2014 Vol.2

ハシモトシンジ

2014年02月25日 21:03

鎌倉初期頃の作とされる重要文化財、地蔵尊立像の収められている白沙村荘持仏堂の改修工事の進捗について。
2月の頭から行われ始めたこの工事は、壁面の塗替えと垂木の胡粉の塗り直しそして何より重要なのは、土台の葛石の組み直しとなります。

壁はパラリ壁と呼ばれる粗めの漆喰壁ですが、そろそろ剥離の兆候もあったので一回やり替えることに。
垂木の胡粉は完全に剥げていたので、放っておくと毛細管現象でそこから湿気を吸い続けてしまうので塗替えを。
また、葛石・・ようするに土台の周囲の石組みは長年にわたる人的な荷重と、下からの根入りがあったので一旦外して組み換えを行います。




作業中の持仏堂の様子。




階段下にもこのように根が入り込んでしまっています。切除の方向で。




葛石も全部取り除いてから、基礎石とのレベルを合わせて狂わないように調整します。



こんな作業の最中ではありますが、明日は橋本関雪の祥月命日なので開帳を行います。
ちょうど今週は作業も休止しているので、この隙に関雪忌の持仏堂開帳をしてお参りしておこうかと思います。


この持仏堂改修ならびに大画室存古楼の改修は3月中旬頃まで続きます。
また、現在着工中の新美術館は8月上旬までの工事期間となります。
工事中は何かとご迷惑をお掛け致しますが、よろしくお願い申し上げます。



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